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コラム
自分らしく働くとは何か
2018.02.23

■ 1.「自分らしく働く」とは?

若い人がせっかく入社しても短期間で仕事をやめてしまうことが問題になりますが、その理由に「自分らしく働けないから」というものが多くあるそうです。

「自分らしく」という言葉は、スポーツ選手が使っているのをよく耳にします。この場合はおそらく「自分の練習成果を最大限発揮する」「自分が表現したいことを精一杯表現する」「得意な技をとことん極める」といった比較的明確な意味を持って使われています。

一方で、「自分らしく働く」ということを定義するのは結構難しくはないでしょうか。

実際に、ある研究機関が様々な企業において、アンケートやディスカッションを通じて「自分らしく働く」とは具体的にどういうことかを聞いたところ、ほとんどの人が定義できないという結果が出たそうです。

ただ、ある企業で新入社員に対して行う新入社員研修において、研修期間を通じて、冒頭の最初の30分間「自分がこの会社の中でどのような価値を発揮できるか」「自分にしかないものはなにか」「どんなことが自分らしいといえるのか」という点について考えてもらったところ、通常の研修(自分らしさを考える時間はない)を受けた新入社員に比較して離職率が低くなり、仕事に対する満足度が高いという実験結果があるそうです。(ハーバードビジネスレビュー 2017年10月号「建設的な不調和」で記号も社員も活性化するより抜粋)

つまり、どのように働くことが「自分らしいのか」を考えること自体が大切なようです。

■ 2.「自分らしくない」ことのサインを見逃さない

「自分らしくない」と感じる一つに、自分の良心や倫理観に反するような行為を強要されるということがあります。この場合は、まだ「組織の論理」「組織だけがもつ悪しき価値観」に染まっていない人の方が正しい感覚を持っているかもしれません。

誰かが唱えた疑問・異論に対して、「ずっとこういうやり方だった」と「いつものやり方」を押し切っていては、組織内で自浄能力が発揮されることはありません。最近の大手企業の不正・不祥事はこのような「組織の論理」「同調圧力」で、新しく入ってきた人の素朴な疑問やストレスをくみ取れておらず、結果的に長年「誤ったいつものやり方」が「正しいやり方」として継続されているように見えます。

時には「自分らしくない」とストレスをためている若い人のストレスに耳を傾けることは、自浄作用を発揮する大切な情報収集の1つなのです。このような話に耳を傾ける機会や時間を取れていますでしょうか。また「いつものやり方」を振り返ることはあるでしょうか。

■ 3.幸せだと「生産性」もあがる

ちなみに、ある調査結果では人間の生産性は、「幸せだ」と感じると上がるそうです。(「競争社会の歩き方」大竹文雄著)

「日本のホワイトカラーの生産性は低い」と言われていますが、ひょっとしたら、「仕事から得られる幸せ度」が低い、つまり、「仕事が好きでない」からかもしれません。自分の仕事に対して誇りを持っており、その仕事を「天職」と思っていると生産性も高く、そして創意工夫やイノベーションも生まれるのでしょう。

このように考えると、例えば従業員満足度調査等では、「会社に対する満足度」だけでなく、「仕事自体」に対するやりがいや満足度の項目について、注視してやりがいを持つために何をすべきかを考えていくことも必要でしょう。

■ 4.その前の次元が満たされていることも大切

「自分らしく働く」というのは、仕事での自己実現ともいえます。「自己実現の欲求」はマズローの欲求5段階説の階層でいうと最終の高度な欲求です。

それ以下の階層の欲求が満たされていない限りは、そもそも「自分らしく働く」という欲求も出てこないのかもしれません。

例えば、海外子会社などで安全欲求が満たされていない状況や、非正規労働で経済的な安定がなく、「食べるものにも困る」状況では「自分らしく働く」どころではありません。

特に、日本でも非正規労働や子供の貧困の問題などが顕著になっています。みなが「自分らしく働く」ということを考えられるような次元になるようにしていくことも大切ですね。